引染の工程
引染の順番は
点検(白生地)→端縫い→引っ張り・伸子かけ→地入れ→乾燥→色合わせ→引染→乾燥→点検
{→蒸し(染料固着)→水元→乾燥}→点検(染め上がり)となります。
※{ }の部分は弊社では専門の蒸し業者に依託していますが、引染工場の中には一貫して行っているところもあります。
点検
染める前には、生地の性質・状態、伏せ糊の状態、ぼかしのあたり(目印)、汚れなどを確認、チェックします。もし修正できないような不具合があれば依頼主に連絡し、その後指示を受けます。ここで染める順番や色の濃度など後工程の事を考えて工程をすすめます。

- 白生地の点検
端縫い(はぬい)
染め工場に反物を引っ張れる様にします。八掛(はっかけ)がついてるものは別にします。 手描き友禅などで一反がばらけている反物は手縫い、もしくはロックミシンでつなげます。 必要に応じ耳ぎれを生地の端に縫い付けます。

- ロックミシンによる端縫い

- 手縫いによる端縫い

- 耳ぎれ
引っ張り、伸子かけ
1反約12メートル(3丈半)の生地の両端を張り木(はりき)で引っ張り、伸子で生地の横方向をのばし、生地のシワを伸ばし、かたむいたり、ねじれたりしない様にします。

- 生地の耳に伸子を等間隔にかけます

- 伸子かけが終わった状態

- 伏せ糊で柄の部分が防染されています

- 伸子が反物にくっつかないようにします
地入れ(じいれ)
染める前工程として地入れをします。
地入れは生地に染料の吸収をよくしてむら染めや染料の耳だまりを防ぎ、染料の色つやと深みをよくする為と、防染糊が置いてある場合、糊と生地を密着させ、染料液が伏せ糊の内側ににじみ込むのを防ぐ役割があります。
地入れはふのり液、豆汁を水と交ぜ、漉して使いますが、生地の種類や染料の濃度、季節(温度、湿度)によって地入れ液の配合は調節します。
水平に張った生地に地入れ液を端から刷毛でむらなく引き、裏も刷毛で撫で、乾燥させます。

- 端からむらなくひいていきます。

- 裏からも撫で返します

- 地入れ液水、ふのり液、豆汁
色合わせ
染料を色見本の色と合うように調合する事を色合わせとよんでいます。
酸性染料を使用し、熱湯でよく溶かしたものを、元色として用意します。
元色を調合し、引染をする生地と同じ小ぎれに同じ条件の地入れをしておき、染料液をつけます。そして乾燥後、蒸気にあてます。これは染めた後に反物を蒸しにかける為で、同じ条件になるように行います。
色合わせは、その後の染めの方法や小ぎれと実際のひきぞめの面積の違いのよる色の見え方の違いなどの諸条件がありますので長年の経験が必要です。
1反約2リットルの染料液が必要なのでバケツに用意します。この時、必要に合わせ、助剤を混ぜます。助剤にはアンモニア液、均染剤、浸透剤、尿素などがあります。

- 染料を炊いて元色とします

- 元色は大体8~12色。

- 電子天秤

- 小ぎれに染料をつけて見ます

- 反物の隅に染料をつけて色を見ます

- 染料をいれたバケツ
染め
実際の染め作業は地入れと同じ要領で行います。
染料液を生地にむらなく、又はぼかしながら、端から刷毛で均一に染める為に手早く行う必要があります。
また淡色と濃色は同時に同じ場所で行う事は出来ません。濃色の染料が飛び、淡色を染める生地につく事がないように濃色を染めるのは別の場所で行います。
ぼかしの場合はきものを仕立てた時、合い口とよばれる柄のつなぎ目が合うように染めます。
蒸した後に消える青花でぼかしのあたりをとっておきます。
ぼかしの柄が細かい場合は複数の刷毛を同時に使いながら染めすすめます。
又、ひききりの場合でも反物のどの場所でも同じ色に染まる様にしなければなりません。
そのために刷毛につける染料液や撫で返しの回数がどの部分も同じになる様に慎重に作業を行います。

- 青花あたり

- たてぼかし

- ひききり

- 小刷毛でボカシを馴染ませる
染めた後
染めの作業が終わったら必要に応じて生地全体にあぶり車(火車)で湯気が出る程度にあぶり、染料の移動を止め、その後自然乾燥で乾かします。
乾燥している間も途中で生地が傾いたりしない様に、また染めの具合を見ながら緩やかに乾燥させるなどの注意が必要です。

- あぶり車を使って乾かします

- 反物の間隔に気をつけます

- 傾かないように水平にします

- 完全に乾燥させます
点検
染めた後と蒸しの後にも染めムラがないか、ぼかしの合い口がずれていないかなど確認します。

- 反物をおろします

- 染め上がった後の検反

- 蒸し後、もう一度検反します

- 染めあがり









